カシオ宇宙塾

 カシオ宇宙塾。ここだ、ここだ。俺はピンポンベルを押した。中からは、70歳くらいのじいさんが出てきた。
「あのー、入会したいのですが」
「カシオ宇宙塾にですか? あなたが最初の生徒ですが、よろしいですか」
「え、チラシには大人気って書いてあったじゃないですか」
「あ、すみません。嘘ついちゃいました」
「そんな・・・、一大決心をして家出してきたのに」
「大丈夫ですよ。いきなり授業してもいいですか」
「いいですよ。そのつもりです」
カシオトーンは持ってきてますか」
「持ってきてます」
「じゃあ.行きましょう。シドソと鳴らしてください」
「はい。シドソ」
「宇宙に行けましたか?」
「え? ここにいますけど」
「不合格!」