蛍光灯のお葬式

 割れた。割れちゃった。私は割れるものはなんでも弔うの。この蛍光灯もお葬式に出してあげなくちゃ。
 私はすぐに2組のポコちゃんに電話した。
「ポコちゃん、私。すぐ来て。今からうちでお葬式やるから」
「え? 誰ですか」
「私よ。コエダよ」
「コエダ? ああ、5組の飯塚さんか。でも私、飯塚さんの家知らないし。お葬式に呼ばれるほど親しくないので、別の人を呼んでくれるかな」
「違うの。お葬式って言っても蛍光灯なの。気軽に来てくれていいのよ」
 電話は無言で切れた。蛍光灯と人間と何が違うのだろう。私はドラゴンボールの26巻を読みながら、蛍光灯を弔った。